LOCAL BRANDING
地域ブランディング
地域ブランディングは、人口や産業の東京一極集中を是正し、地方の雇用、地場産業の強化、文化、伝統の発信などにより競争力を高め、地域の活性化を目指すというものです。日本の人口減少が叫ばれる中、地域の魅力を再発見し、地方から日本全体を活気づける意義は大変大きなものです。しかし、地域ブランディングの難しいところは、民間企業と異なり、意思決定者が一人ではない、という点です。また、地方創生推進交付金や地方創生加速化交付金といった助成金を活用し、外部のコンサルタントに丸投げしてしまうのも、うまくいかない原因の一つです。その結果、安易な「ゆるキャラ」を作り、それを武器に地方創生イベントに出展する程度で終わってしまうのです。
たとえば、この町には目立った特産品がないという場合、必要であればベーカリーやホテルまでも誘致します。もちろん、ただ誘致すればいいというものではありません。地域の産業と文化との親和性を考えた上で、他の地域では成立しない独自のベーカリー、ホテルを作ります。そして、これらをコンテンツの中心に据え、その地域独自のモノやコトをアレンジしていくのです。マーケティング先行で二番煎じにならないよう、その土地ならではの魅力を伝え、体験してもらい「ファン化」させることが大切です。
地域ブランディングで重要なのは、単年・一過性のプロジェクトで終わらせないことです。外部のパートナーである私たちは、住民、行政、農協、商工会、企業など並ぶ当事者として本質的な課題を抽出し、ときには客観的な視点で捉える第三者として地域のブランド価値を高めます。また、助成金や補助金頼みにしないために、プロジェクトのフレームを作り、継続的に地域で回せるようにする必要があるのです。
地域のブランド価値を高めるコンセプトやコンテンツが決まったら、ここではじめてロゴやメッセージを制作し、視覚的にわかりやすく発信します。どこかで見たことがあるような成功事例を真似て、それっぽいマークを作っただけでは、成功には導けません。